更新日:2022.10.18
幅広い世代の方が気軽に受けている脱毛は、1916年にアメリカで初めての脱毛機となる「電気分解脱毛器」が登場してから、今も進化を続けています。
現在では永久脱毛に近い医療脱毛と除毛目的の光脱毛に大きく分かれ、使用する脱毛機の種類も豊富になりました。
そんな医療脱毛で使用されている脱毛機の中にも、比較的痛みを抑えたものや日焼けをしていても照射ができるものまで、さまざまな種類があるのをご存知でしょうか?
今回は、クリニックで使用されている医療脱毛機の種類や期待できる効果について、詳しく解説していきます。
それぞれの種類がどのような人におすすめなのかも紹介しているので、医療脱毛で使用されている機械の仕組みを知りたい方だけでなく、どのクリニックにするか悩んでいる方もぜひ読んでみてください!
医療脱毛のクリニックをおすすめだけで選ぶのは危険なの?医療脱毛は脱毛サロンと何が違うの?医療脱毛を検討するときに、知っておきたい基本的な知識をYouTubeで話題の「友利先生」監修のもとご紹介。
医療脱毛で使用される脱毛方法は「熱破壊式」と「蓄熱式」の2つに分かれます。
2つの一番の違いはアプローチをする先。2つともほぼ生えてこない状態を目指すという目的は一緒ですが、熱破壊式は毛母細胞にアプローチをするのに対し、蓄熱式はバルジ領域という部分にアプローチをします。
ここからはそれぞれがどのように違うのかをイラストと共に説明していきます。
まずは熱破壊式。熱破壊式は出力の高いレーザーを肌へ照射し、毛を作るもととなる毛乳頭と毛母細胞を破壊します。その結果、そもそも毛が生えてくる組織自体がなくなり、毛が生えてこなくなるのです。
そして蓄熱式は、毛を生やすように指令を出すバルジ領域という部分をターゲットにして破壊します。そもそも毛を生やすという指令を止めることで、毛が生えてこなくなる仕組みです。
このようにクリニックで使用されている脱毛機は熱破壊式と蓄熱式のどちらかに当てはまりますが、脱毛機の種類によっても特徴がさまざま。
次はそれぞれの医療脱毛機について詳しく説明していきます。
医療脱毛で使用されている脱毛機は、主に4つに分かれます。
熱破壊式ではアレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、ヤグレーザー、蓄熱式ではほどんどの脱毛機にダイオードレーザーが搭載されています。
先ほど説明した通り、熱破壊式と蓄熱式でプローチ方法が違うだけでなく、同じ熱破壊式の中でも種類によっておすすめの毛質や肌質などが変わってきます。
ここからは、この4つ種類の違いや特徴をイラストを用いて解説。また、それぞれがどのような人におすすめなのかも紹介していきます!
クリニックで使用されている脱毛機ごとに、痛みの程度や種類、向いている毛質などまとめてみました。
アレキサンドライトレーザー | ダイオードレーザー | ヤグレーザー | 蓄熱式レーザー | |
---|---|---|---|---|
タイプ | 熱破壊式 | 熱破壊式 | 熱破壊式 | 蓄熱式 |
痛み | ○ | ○ | ◎ | △ |
痛みの種類 | 弾かれる | 弾かれる | 弾かれる | 熱くなる |
破壊する部分 | 毛母細胞 | 毛母細胞 | 毛母細胞 | バルジ領域 |
波長の長さ | 755nm | 810nm | 1064nm | - |
向いている毛質 | 剛毛 | 剛毛 | 剛毛 | 産毛/薄い毛 |
日焼け/黒い肌 | NG | NG | OK | OK |
使用しているクリニック |
レジーナ SBC AMORE CLINIC |
クレア フェミー |
アリシア リゼ |
フレイア ジェニー GLOW |
アレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、ヤグレーザーは同じ熱破壊式ですが、それぞれ波長が違います。波長とは使われるレーザーがどれくらい深く届くかを表す指標となっており、レーザーの波長が長ければ長いほど皮膚の深部に届くようになっています。
上記のイラストでもあるように、アレキサンドライトレーザーは755nm、ダイオードレーザーは810nm、そしてヤグレーザーは一番長い1064nmほど。ヤグレーザーが一番深部に届きますが、より深部に届くから一番良いと一概には言えません。
波長の長さは脱毛効果にどのように影響するのか、そもそもそれぞれの脱毛機にどのような特徴があるのかをさらに詳しくご紹介していきます。
アレキサンドライトレーザーは多くのクリニックで使用されており、脱毛機の定番ともいえます。
脱毛レーザーの中でも短い波長のアレキサンドライトレーザーは、皮膚表面に近い深さに届きます。
レーザーの波長が短いとメラニン色素によく反応するといわれており、ワキやVIOといった濃い毛への脱毛効果が特に期待できます。
アレキサンドライトレーザーは黒いメラニン色素に反応するという特徴により、メリットとデメリットがあります。
アレキサンドライトレーザーはメラニン色素に反応するため、毛だけではなく同じくメラニン色素を持っているシミなどにもアプローチが可能。
また、肌が刺激されることでコラーゲンの生成が促されることがあり、ハリが出たりキメが整ったりといった効果もあるので、お肌を綺麗にしたいという方にもうれしいですね。
しかし産毛よりも濃い毛によく反応するため、脱毛効果の実感を重視したいのなら、産毛の多い部位にはあまり向いていないかもしれません。
アレキサンドライトレーザーは、脱毛だけでなく美容効果も欲しい方におすすめしたい脱毛機。ただ、焼けた肌には照射ができないので日焼けをしている方は要注意。
アレキサンドライトレーザー搭載の脱毛機を使用しているクリニックは、レジーナクリニック、SBC 湘南美容クリニック、AMORE CLINICなどがあります。
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黄みを帯びた肌質に適しているといわれている、熱破壊式のダイオードレーザー。
波長は810nmで、アレキサンドライトレーザーに比べて表皮のメラニン吸収率が低くなるため、火傷のリスクが低いといわれています。
また、痛みを伴うイメージがある熱破壊式の中でも痛みが少ないといわれています。
続けて、熱破壊式のダイオードレーザーのメリットとデメリットをご紹介します。
熱破壊式のダイオードレーザーの魅力は痛みの少なさ。冷却装置や肌を吸い上げてレーザーを照射する仕組みなどにより、脱毛時の痛みを軽減してくれます。
また、照射面積が広く一度の施術で広範囲にレーザーの照射が可能なので、スピーディーな施術が期待できます。
医療脱毛は痛そうというイメージがありなかなか踏み出せない方でも、痛みを軽減してくれつつ施術もスピーディーなので挑戦できそうですね。
熱破壊式のダイオードレーザーはメラニン色素に反応するため、アレキサンドライトレーザー同様に日焼けした肌への照射は基本的に不可能ですが、熱破壊式で太い毛にしっかりと脱毛をしたいけれど、痛みを可能な限り抑えたいという方におすすめです。
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3つのレーザーの中で最も波長が長いヤグレーザーは、アレクサンドライトレーザー、ダイオードレーザーよりも肌の奥にレーザー照射が可能。一度の照射で、深い毛根へのアプローチが期待できます。
日本で導入しているクリニックは少ない傾向がありますが、1台で複数のレーザーを照射できる脱毛機を採用しているクリニックで部分的に使用されることがあります。
毛根の深い毛に効果が期待できるヤグレーザーですが、他にもどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
熱破壊式では基本的に日焼けした肌に照射は不可能ですが、ヤグレーザーは日焼けした肌や色素沈着がある箇所にも照射が可能といったメリットがあります。
その理由は、ヤグレーザーは肌の奥に反応するものの肌表面のメラニンにはあまり反応しないからです。日焼けしている方や色黒の方で施術を断られてしまったという方でも、ヤグレーザーなら照射ができるかもしれませんね。
ヤグレーザーは痛みが苦手な方は注意した方が良いかもしれませんが、日焼けしている方や色黒な方におすすめです。
また、根の深い部分にも届くので、何度も照射したけれど残ってしまうようなしぶとい毛がある方にでも効果を実感しやすいのではないでしょうか。
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蓄熱式レーザーは熱破壊式のように毛根ではなく、バルジ領域をターゲットにしているため、毛周期を気にしたり、毛の濃さを気にしたりせずに照射できる脱毛機です。
強いレーザーを瞬時に照射する熱破壊式と違い、低い出力でジワジワと細胞を破壊していくイメージです。
蓄熱式レーザーは、メラニン色素をターゲットにしていないことによるメリットとデメリットがそれぞれ挙げられます。
蓄熱式では、メラニン色素をターゲットにした熱破壊式では難しかった産毛に効果が期待できる点がポイント。
産毛は濃い毛に比べると脱毛回数を重ねる必要がありますが、背中、顔、手の甲・指など、産毛は全身に多く生えています。
例えば顔の産毛を脱毛することで、肌のトーンが明るくなったり化粧のノリが良くなったりと、お肌全体が綺麗に見えるといううれしいメリットがあります。
蓄熱式レーザーは「とにかく脱毛効果を早く実感したい」という方にはあまり向いていないかもしれませんが、痛みが心配な方はもちろん、全体的に毛が薄い方や産毛もしっかり脱毛したいという方におすすめです。
クリニックで使用されている脱毛機にはさまざまな種類があり、期待できる効果も異なります。
なかには1台の機械に何種類ものレーザーを搭載している脱毛機を採用しているクリニックも。
「痛みを抑えたい」「産毛もきれいにしたい」など、自分の希望にあった施術が可能な脱毛機を見つけて医療脱毛をしてくださいね。